基本情報

所在地〒391-0013 長野県茅野市宮川389-1
アクセスJR中央本線茅野駅より徒歩35分
開館時間9:00~16:30
休館日月曜日、12月29日〜1月3日、祝日の翌日(月曜日の場合その翌日も休館)
入館料一般:100円 、高校生:70円、 小・中学生:50円
HP茅野市公式HP

矢史とは?

「神長官守矢史料館」は藤森照信さんの生まれ故郷であるこの茅野市にあり、藤森さんの処女作でもあります。当資料館は「諏訪大社」と大きく関係しています。

諏訪大社といえば「御柱祭」で有名ですが、諏訪大社は諏訪湖を中心に、茅野市の上社の「前宮」と「本宮」、建築家伊東豊雄氏の生まれ育った諏訪市の下社の「秋宮」と「春宮」の4箇所にあります。その中でも神長官守矢史料館は、「上社」と関わりの深い資料を展示しています。

上社本宮の御柱、境内の四隅に計4本建つ

諏訪大社のご祭神は、諏訪地方を中心とした土着的な神々が起源とされています。また、「ミシャグジ神」とよばれる東日本における縄文時代からの信仰神がおられますが、ここ諏訪地方が起源と考えられています。

そしてその諏訪・ミシャグジ祭政を統括していた氏族が「守谷氏」と考えられており、中世から明治時代まで上社の神官である「神長官(じんちょうかん)」を勤めておられました。

現在も、諏訪大社上社の前宮と本宮の中間には守谷氏の社家である「守矢家」があり、その敷地内にあるのが「神長官守矢史料館」です。守矢史料館は鎌倉時代より守矢家で伝えてきた守矢文書を保管・公開しています。

「御頭祭」の再現

入口から入ると「御頭祭」の様子を再現したレプリカが展示されています。

風化するほど美しい建築

設計者の藤森照信氏といえば自然素材を使った建築で有名ですが、藤森氏によると、世の中のすべてのものはこの「風化」からは避けられず、人間のつくる工業製品に傷がついたりさびているのを見ると無意識に嫌と感じてしまいます。人間は、工業製品の風化は”嫌”と感じるが、自然素材の風化は”味”を感じ、これは人間の資格が自然界ベースに進化してきたことにつながっているからだといいます。

風化が周囲の自然と同化する

建物の構造は鉄筋コンクリート造ですが、仕上げ材として収蔵庫外壁体部分には内外ともワラ入り土ふうモルタルに土を吹き付け、展示室の外壁にはサワラ材手割り板がかぶせられています。

サワラ材手割り板とワラ入り土ふうモルタル

屋根には諏訪地方でさかんな鉄平石が葺かれています。

屋根葺き材は地元産の鉄平石

雨風にさらされた自然素材が時間の経過とともに風化し、そしてそれが見事に周囲の自然風景に溶け込んでいます。

建築概要

設計/藤森照信+
敷地面積/973.54㎡
建築面積/134.12㎡
延床面積/184.43㎡(1階/129.80㎡ 2階/54.63㎡)
構造/鉄筋コンクリート造(一部木造)
構造設計/山本
工事期間/1990年8月〜1991年2月