みなさん、こんにちはwatabatakeです。
投稿が遅れてしまいました。ごめんなさい。
中国地方建築の旅、3日目ということで今日は広島から北九州の小倉まで移動したいと思います。
小倉は中国地方ではございませんけど、九州まで行ってしまった方が、宿もいっぱいあるし、建築もいっぱいあるので、今日はそこまで目指したいと思います。
2日目までの記事はこちらです。
おりづるタワー

昨日、原爆ドームの真横にある「おりづるタワー」に行こうとしたのですが、16時の時点で閉まってしまっていました笑。
なので今日は「おりづるタワー」からスタートしたいと思います。
おりづるタワーの展望台への入場料は大人1700円です。
さらにプラス100円すると、実際に折り紙で鶴を折って、12階から鶴を投げることができます。その模様も今回お届けできたらと思います。

エントランスに入るとチケットカウンターがあります。ゲートを通って、扉を抜けるとこのように天国コースと地獄コースに分かれています笑。

やはり建築を学ぶ人間として、エレベーターを使うわけにはいかないので、散歩坂を選択します。

全長450m、9周にも及ぶ楽しいスロープ旅の始まりです。

こんな感じで滑り台を中心に、その周りに階段とスロープが回遊しています。

滑り台は結構急な気がします・・・。


このようにスロープの高さの変化とともに、旧市民球場跡地を眺めることができます。

将来的にはこのような開発計画があり、真ん中の桜並位は広島平和記念公園の軸線に配慮した景観づくりがなされています。

谷口吉生氏の工場から始まる「吉島の軸線」は原爆ドームを超え、さらに内陸へと伸びるのです。

だんだんと景色も高くなってきました。スロープの勾配は結構きついです。


ようやく終点に到着しました。かなり汗だくです。

最上階にはカフェもありますが今日は閉まっていました。

いよいよ「ひろしまの丘」へと行きたいと思います。

じゃん!広島の街を180度一望できます。


広島平和記念公園全体と、原爆ドームを見たい時はぜひ展望台まで登ることをおすすめします。
続いてはひとつ下のフロア、「おりづる広場」へと向かいたいと思います。


ここでは実際に自分でつるを折って、「おりづるの壁」におりづるを投入することができます。
「おりづるの壁」は、このタワーのデザインを成しており、だんだんとつるが積み重なっていくことで、やがて壁が完成するするということです。
この建物のファサードは、毎日ちょっとずつ増えていくおりづるの壁を楽しめるというわけです。


このようなブースでおりづるを折ります。

わたくしもいざ折ってみます。
iPadが折り方を教えてくれるので安心です。

完成しました。早速投入してみます。

さようなら。

一番下まで落ちていきました。
国立広島原爆死没者追悼平和祈念館

次は広島平和記念公園内にある「国立広島原爆死没者追悼平和祈念館」に行きます。
ここでは当時被爆された方のお名前やお写真を公開しています。
設計は「丹下健三・都市・建築設計研究所」によるものです。
「平和祈念・死没者追悼空間」は円上に12の柱が並び、中央の水盤は、原爆が投下された時刻、「8時15分」を表しています。
また中心からは360度、原爆が投下された直後の爆心地からのパノラマを見ることができます。

この空間はたとえどの椅子に座ろうが、どこに立とうが、そこからは、どこもかしこも均質で全く同じ景色が見えます。
原爆はこの爆心地から、性別や年代、国籍、街関係なく全てを一瞬にしてフラットな景色へと変えました。
この空間に問いかけても何も返答しないような、均等な柱、壁、天井は、当時原爆が奪った、当時の豊かな風景への悲しさえをも感じます。

新白島駅
続いてアストラムライン、「新白島駅」を訪れます。
平和記念公園からは徒歩7分で、アストラムライン「本通り駅」まで行き、そこから同線で3駅です。
これが広島市内最後の建築となります。

見てください、この美しい駅。僕が今まで見た駅の中で一番美しかったです。
なぜかと言いますと、特にプラットホームが従来の駅と比べて全く新しかったからです。

よーく見てみると、左右に四角く開いている穴はなんとホームドアだったのです。
つまりこの駅は、駅の屋根を成す構造シェルと、従来後付けにされがちなホームドアを一体のものとして設計されたということです。
さらに同じシェル内には、駅の設備には欠かせない改札口や駅事務室、トイレなどの設備が一緒に内包されています。
この駅は、雨をしのぐための屋根、安全を守るためのホームドア、待ち時間を快適に過ごすための内外の仕切りなど、これら全てのものが一つの構造体によってできていて、内外が連続的なデザインを可能にすることで、外からでも一瞬で、閉ざされているような駅内の動線を理解することができます。






錦帯橋
続いては、山口県の「錦帯橋」に向かいたいと思います。
そのまま新白島駅からJR山陽本線、岩国行きの電車で終点の岩国まで行きます。
岩国からはバスでおよそ20分ほどで「錦帯橋」バス停に着きます。

いや、すごい。
僕はローマのアーチを一度も体験したことがないのですが、日本の錦帯橋を見て初めて、アーチという構造物に感動しました。

見てくださいよ、この軽々しく中に浮かぶ感じ。
いくら木とはいえ、こんなにも軽やかだったら、興奮してしまいます。

特に下からのアーチは圧巻です。

にしてもすごいとしか言えない。
でも、確かに見た目はアーチの形状だとしても、ここで私は、アーチとは何か?という、アーチの定義についてこんがらがってしまいました。
古代ローマで誕生した石のアーチは、確かにひとつひとつの石が圧縮されて力を保っていることは簡単に理解できますが、この橋の力学的な構造は実際、どのようになっているのだろうか。
まずひとつ、ローマのアーチとの共通点として言えるのが、鉛直方向からの荷重を水平方向へと伝えているということです。橋脚がその両端のアーチの水平力を保っています。
では部材ひとつひとつに関してはどうでしょうか。
実際に近づいてみてみます。

ローマのように、部材にどのような力が働いているのか、一瞬で理解できるような構造ではありません。
アーチの圧縮力は一体どの部材に働いているのでしょうか。

岩国市の公式ホームページに超わかりやすい橋のダイアグラムがありました。
まず橋の根本からは、4本の桁が固定されています。
これら4本の長さは異なり、だんだんせり出すように中央に向かって、長くなっていきます。
現在、これらの桁は橋の橋脚に「沓鉄」と呼ばれる節が支点となって橋脚に固定されています。
昭和の流出までは橋脚中央に隔石を設けることで水平に対する力を伝えていましたが、それを機に鉄筋コンクリートへと補強され、現在では「沓鉄」がそれらをつなぐ役割を果たしています。
いよいよ5本目から11本目までは宙に浮くようになっており、それらの桁の間に楔を挟み込んでいます。
実はこの楔こそが、この橋のアーチの圧縮力をもっていたのです。
またこの橋の合理的な点は、桁に注目してみると、橋の自重による下へと伝える力によって、、桁と桁の接触点にあたる支点を中心に、てこの原理で持ち上げようとする力が働いています。
さらにその支点は横方向に梁によってガチガチに固定されているのです。

そしてそれら橋をなす構造体の上に階段などの仕上げが施されています。




気が腐らないような土台。


新しく取り替えた後です。木はこのように部分的に取り替えることができるのです。



日も沈んできました。電車の時刻が迫ってきたので、次の建築に向かいたいと思います。
徳山駅前図書館
錦帯橋から歩いて20分、JR岩徳線の川西駅にやってまいりました。ここから1時間ほどかけて徳山駅に向かいたいと思います。
それにしてもこの川西駅、なんか興奮してしまいました。





どうです?なんか夏の夕方全部詰め込んだような景色でどこか懐かしいですね。
さて時刻は19時37分、徳山につきました。
この徳山駅は、駅直結の「徳山駅前図書館」が2019年に完成しました。
内藤廣建築設計事務所による設計で、中には徳山市立図書館や、蔦屋書店、スターバックスコーヒー、会議室や貸しスペースなどの複合型施設となっています。
外観はこんな感じです。

エントランスです。



中に入ると左にカフェ、右に書店があります。



またエントランスからは2層吹き抜けの本棚が見えます。



1階の書店です。


2階からは図書館になっています。



1階から3階まで屋外照らすと階段で繋がれています。



このように2階から駅コンコースから直接アクセスできます。

階から見たコンコースです。

私も1時間ぐらいここに滞在して記事を書いていました。
するとある問題点が浮き彫りになったと思います。
すごい若い子たちがが結構うるさかったです。これは近代建築が抱える問題でもあると感じました。
確かに、駅と一体となってこういう立派な図書館やカフェを設計するのは、人が集まる場所としの空間として良いことですが、本来、人間が自然に振る舞えるような空間とは程遠いいものです。
コルビジュエが最終的に自然主義への道を辿ったように、それらを見習わなければなりません。
小倉へ
本日の最終目的地小倉に向けて再び出発です。
21時22分発、山陽本線新山口行きに乗ります。

22時4分、新山口に到着です。
ここからは下関行きに乗ります。

終着下関に到着です。
1日目の米原から始まった、JR西日本の管轄はここでおしまいです!
そう考えると、自宅からのR東日本、熱海からのJR東海、米原からのJR西日本と、すでに2社を乗り越したことになります。

ここからは目的地の小倉行きに乗っていきます。
下関-門司館は、デッドセクションで電気が一時的に落ちます。これでやっと九州に入ったという感じです。

そして途中の門司駅で長い長い山陽本線は終わりです!
自宅から東海道本線、山陽本線と在来線でほとんどの区間を乗り通しました!
ちょっと感動。

そして終点の小倉です。
とにかく長かった。

今日はこの小倉駅前で「おやすみなさい」ということで、3日目は終わりです。
4日目へ続く。