大分県の建築めぐり/おすすめ有名建築一覧【13選】エリア別に紹介!!

大分市

岩谷学園

基本情報

所在地〒870-0936 大分県大分市岩田町1-1-1
アクセス・「滝尾橋東バス停」より徒歩10分
・「大分市アートプラザ」より徒歩25分
HPhttp://www.iwata.ed.jp/

設計者

磯崎新

大分市アートプラザ (旧大分県立図書館)

基本情報

所在地〒870-0046 大分県大分市荷揚町3-31
アクセス・「大分駅」より徒歩20分
・「大分市役所合同新聞社バス停」より徒歩2分
・「荷揚町バス停」より徒歩4分
・「大分県立美術館」より徒歩10分
開館時間・3F磯崎新空間展示室:9:00〜18:00
・2Fアートホール:9:00〜22:00
休館日12月28日~1月3日
入館料無料
HPhttp://www.art-plaza.jp/

設計者

磯崎新アトリエ

建築概要

「大分市アートプラザ」は1966年に「大分県立図書館」として磯崎新アトリエの設計により竣工しました。1995年には新たな県立図書館である「豊の国情報ライブラリー」に移転オープンしたため、旧図書館は1997年に「磯崎新記念館」として市民ギャラリーなどのアートプラザに改修されました。いずれも磯崎新アトリエによるものです。

本建築は磯崎新建築の「初期作品」を代表する建築のひとつで、現存する建築としては3番目の古さ(「新宿ホワイトハウス, 1957」、「岩谷学園, 1964」)となっています。建物は初期作品にしかみられないコンクリート打放しとなっており、外壁には防水などの仕上げが施されておらずコンクリート躯体が吹きさらしとなっています。

磯崎氏は自身の著書において「プロセスプランニング論」という方法論を提唱しており、建築設計にあたり完全に完成した建築は刻々と変化する時代の要求や物理的な建物の風化や汚れに対応できないとし、将来的な建築の変貌の過程に対応する時間的要因を設計計画に取り込むべきとしました。特に図書館において蔵書の増加、使用形式の変化、新しい管理システムの導入など、絶え間ない内容の変動があるとし、それらに対応すべく建築を常に“未完成”な状態として計画し将来拡張可能とせねばならないといいます。

しかしそれはただ単に容積を拡張させるのではなく、図書館の各諸室がそなえる成長性のポテンシャルを最大限に引き出しそれらを有機的に溶かし合いながら全体的に成長させる必要があるというのです。例えば「モデゥラー・プランニング」という設計手法はモデゥールと呼ばれる正方形や長方形のラーメングリッドの中に自由な書架や閲覧席配置を可能にするなど、あらゆる行為を均質な空間で包含することで対応しようとする、いわば今でも世界的に行われている空間表現です。すると建築内部で行われる行為が全てが等価となってしまい、モデゥラー・プランによる自由な広がりや方向性の、任意の成長は、本来書庫や閲覧室、管理事務などそれぞれの諸室がもつ成長ポテンシャルを殺すこととなり全体が最大公約数的な中途半端な成長となると指摘しています。

そこで、それぞれが独自性を持った各諸室・エレメントを、「スケルトン」と呼ばれる構造システム・設備システムに沿って連結するさせ、成長すべき方向性を設計者が“デザイン”することで、各エレメントが完結した目的の空間を維持し十分な共存を図りながら成長可能だといいます。

すなわち磯崎氏にとって建築デザインとは、60年代までの巨匠建築家達が成し遂げたコンクリートや躯体の形態や素材デザインを売りにするのではなく、空間全体のイメージ構造、すなわち将来的なストラクチャやシステムを具体的なスケルトンとしてデザインすることに意味があるといいます。そういった具体的な形式や形態の問題ではなく、独自の理論を展開しながら建築全体のフォームを構築していくという意味で、ご自身のことをフォルマリストと称しています。

大分市情報学習センター

基本情報

所在地〒870-0851 大分県大分市大石町1丁目3−組
アクセス・「南大分駅」より徒歩5分
・「大石町一丁目バス停」下車徒歩3分
・「城南団地入口バス停」下車徒歩7分
・「田中南バス停」より徒歩8分
開館時間月~土曜日:8:30~21:30、日曜・祝日:8:30~17:00
休館日12月28日~1月4日
HPhttps://omc.manabi-oita.jp/

設計者

磯崎新アトリエ

大分県立図書館

基本情報

所在地〒870-0008 大分県大分市王子西町14-1
アクセス・「大分駅」より徒歩20分
・「大分駅北口バス乗場7番乗場」より「県立図書館」行バスに乗車し、「県立図書館前バス停」下車すぐ
・「西大分駅」より徒歩15分
・「大分県立美術館」より徒歩15分
開館時間平日:9:00〜20:00
土・日曜・祝日:9:00〜17:00
休館日・毎月第1・3・5月曜日(祝日の場合翌日休館)
・第2・4月曜日が祝日の場合のその翌日
・12月28日〜1月4日
・資料整備期間
詳しくはこちら
HPhttps://www.oita-library.jp/

設計者

磯崎新アトリエ

大分県立美術館(OPAM)

左上:1階エントランスホール,ペデストリアンデッキからのブリッジが3階床より吊るされる 右上:3階美術館ホワイエ, 天井は大分県産スギによるシェル 左下:1階ギャラリーを収めた箱, 自由な間仕切りが可能 下中:1階ホール 右下:折戸式ガラス

基本情報

所在地〒870-0036 大分県大分市寿町2-1
アクセス・「大分駅」より徒歩13分
・「大分駅前7番乗り場」より大分交通バス23番・24番青葉台線/3番県立図書館線/8番スカイタウン高崎線に乗車し、「オアシスひろば前バス停」下車すぐ
・「大分駅府内中央口7番乗り場」または「大分駅上野の森口前」より、中心市街地循環バス大分きゃんバスに乗車し、「オアシスひろば前(県立美術館南)バス停」下車すぐ
・「大分市アートプラザ」より徒歩10分
・「大分県立図書館」より徒歩15分
開館時間10:00〜19:00
休館日臨時休館日
入館料一般:300円、高校・大学生:200円(1F・2Fは無料)
HPhttps://www.opam.jp/

設計者

坂茂建築設計

建築概要

「大分県立美術館」は坂茂建築設計の設計により2014年に竣工しました。建物は地下1階、地上4階建ての鉄骨造で、内装や外装には至る箇所に大分県産のスギが使用されています。

本建築の特質すべき点は、3階床が2mのトラス梁によるスラブ厚2.5mの巨大なキャットウォークを境に、下階は天井高さ10mの無柱空間となっており、上階には展示室が配置されています。3階床トラスは1、2階の矩形平面の周囲に5.7mピッチで配置された鉄骨柱に支えられ、2階床はその頑丈な3階トラスから吊るされることにより、下階は無柱空間を実現しています。

1階に配置されたギャラリーは無柱空間のため、構造体に制限されない自由な間仕切りが可能で、1、2階の4方外壁は、柱間を全面開閉可能な水平折戸式のガラスにすることにより、イベント時など1階ギャラリーを含め、内外の仕切りが一切ない街に開かれた巨大なピロティ空間が可能となっています。

まさに「東光園」に代表される菊竹清訓氏の建築精神が最大限に再現された建築のひとつです。

祝祭の広場

基本情報

所在地〒870-0021 大分県大分市府内町1-1-1
アクセス「大分駅」より徒歩2分
HPhttps://www.city.oita.oita.jp/o170/machizukuri/190116syukusaisisetu.html

設計者

ヨコミゾマコト

由布院市

由布院駅

基本情報

所在地〒879-5114 大分県由布市湯布院町川北8-2
乗り入れ路線JR久大本線
HPhttps://www.jrkyushu.co.jp/railway/station/1191928_1601.html

設計者

磯崎新アトリエ

由布市ツーリストインフォメーションセンター

:観光案内所内観 右上:2階図書館, アーチ状の集成材にガラスが嵌め込まれる 右下: 2階デッキ, 本棚も内外を仕切る

基本情報

所在地〒879-5114 大分県由布市湯布院町川北8-5
アクセス「由布院駅」下車すぐ
開館時間9:00〜17:30
休館日年中無休
HPhttp://www.yufuinfo.jp/

設計者

坂茂建築設計

建築概要

「由布市ツーリストインフォメーションセンター」は観光客のための観光案内所として2018年に竣工しました。建物は磯崎新アトリエ設計の由布院駅舎に隣接しており、交差ヴォールトを中央に、両脇にヴォールト屋根が伸びた対照的な駅舎に呼応するような、扇形ヴォールト屋根が特徴です。

柱は厚さ12mm、幅150mmの板を25枚重ねた集成材を十字に構成することで、4方に2次元に自由な湾曲が可能な十字柱としています。それを4.5mピッチで3×7本に均等に平面配置することで、見た目が3次元的な扇形ヴォールトの無限定曲面屋根を実現しています。

本計画では、駅前の交通整備計画も含まれたもので、実際に坂茂建築設計により駅舎正面左側にトイレ増設が行われました。磯崎アトリエの駅舎は意匠的に十字方向にヴォールトを増設できないのに対し、坂茂建築設計の建物は増築しようと思えば、4方に可能となっています。

柱・梁が滑らかに接合された扇形ヴォールトは、木の枝のような屋内外の屋根下空間を生み出すことで、木の温もりを外観からでも感じることが出来ます。

COMICO ART MUSEUM YUFUIN

基本情報

所在地〒879-5102 大分県由布市湯布院町川上2995-1
アクセス「由布院駅」より徒歩10分
開館時間9:30〜17:30(前日までのオンライン予約制)
※各時間帯空きがある場合当日、現地にてチケット購入可
休館日水曜日、展示換期間
入館料一般:1,200円、小学・中学・高校生:700円、小学生未満:無料
HPhttps://camy.oita.jp/

設計者

隈研吾建築都市設計事務所

豊肥エリア

朝倉文夫記念資料館

基本情報

所在地〒879-6224 大分県豊後大野市朝地町池田1587-11
アクセス豊肥本線「朝地駅」より徒歩70分
開館時間9:00〜17:00
休館日月曜日(祝日の場合翌日休館)、12月29日~1月3日
入館料一般:500円、小学・中学・高校生:200円、小学生未満:無料
HPhttps://www.bungo-ohno.jp/categories/shisetsu/asakura/

設計者

清家清

長湯温泉療養文化館 御前湯

基本情報

所在地〒878-0402 大分県竹田市 直入町長湯7962-1
アクセス・豊肥本線「豊後竹田駅」より大野竹田バス「直入支所」行バスに乗車し(所要時間47分、880円)、「道の駅長湯温泉バス停」下車徒歩2分
大野竹田バス長湯線バス時刻表
・「ラムネ温泉館」より徒歩7分
開館時間6:00〜20:00
休館日毎月第3水曜日
入館料一般:500円、小学生:200円、6歳未満:無料
HPhttp://www.gozenyu.com/

設計者

像設計集団

建築概要

「長湯温泉」は世界屈指・日本有数の炭酸泉が湧く温泉地として、大分県竹田市直入町を流れる「芹川」沿いに公衆浴場・共同浴場や宿舎が点在する温泉街です。

長湯温泉の泉質は主に「炭酸水素塩」と「炭素泉」があり、御前湯は炭素泉が湧き出しています。さらに炭素泉でも温泉水1kg中に遊離炭酸が1,000mg以上含まれているものは「二酸化炭素泉」と呼ばれ、二酸化炭素泉は全身に炭酸の泡が付着し爽快感あるのが特徴です。しかし二酸化炭素の飽和溶解度は40℃で1,000mg/L、50℃で900mg/Lと水温により大きく異なり、御前湯の源泉は水温約46℃中に、限界の918mgと飽和状態の炭酸泉となっています

長湯温泉の歴史は古く、8世紀半ば奈良時代までさかのぼるとされ、1706年の江戸時代には岡藩主中川家の入浴・宿泊のための御茶屋、1781年には岡藩により中川寛得軒設計の「御前湯」が建設され、徐々に温泉施設が整備されてきました。さらに1933年にはドイツ・カルルスバードで温泉治療学を研究していた松尾武幸が、長湯温泉の泉質が含鉄泉であることとその効能を科学的に検証し、世界的にも稀な炭酸泉温泉地として知られるようになりました。

現在の御前湯は1998年に象設計集団の設計により竣工し、建物は「ドイツ建築様式」となっています。ドイツはバーデンバーデンや炭酸温泉地で有名ですが、1992年長湯温泉は温泉療養先進国であるドイツからノウハウを輸入するようになります。そしてドイツとの経済交流関係までに発展した長湯温泉は、温泉施設の整備事業の一環として、温泉療養文化館御前湯が完成されました。

ラムネ温泉館

基本情報

所在地〒878-0402 大分県竹田市直入町大字長湯7676-2
アクセス・豊肥本線「豊後竹田駅」より大野竹田バス長湯線「直入支所」行バスに乗車し(所要時間45分、
880円)、「山脇バス停」下車徒歩3分
大野竹田バス長湯線バス時刻表
・「長湯温泉療養文化館 御前湯」より徒歩7分
・「クアパーク長湯」より徒歩8分
開館時間10:00〜22:00
休館日 毎月第1水曜日(1月と5月は第2水曜日)
入館料大浴場(一般:500円、3歳〜小学生:200円、3歳未満:無料)
家族風呂(1時間2,000円 電話予約不可、現地先着順)
HPhttps://lamune-onsen.co.jp/

設計者

藤森照信

建築概要

「ラムネ温泉館」は藤森照信氏の設計により2005年に竣工しました。ラムネ温泉館は男女それぞれ「大浴場」と3つの貸切タイプの「家族風呂」があります。中でも露天風呂の泉温は32℃のぬるま湯ですが、遊離炭酸の溶解度は 1,400mg/kgの「炭酸水素塩」となっており、身体中にたくさんの炭酸泡が付着します。

建物は笹の中庭を介して美術館・ショップ・事務室を含んだ「待合美術館棟」と「家族湯棟」、「共同浴場棟」の3棟からなり、RC造の外壁には漆喰と焼杉が仕上げられています。屋根は木造で人間の手によって曲げられた「手曲げ銅板」が葺かれており、さらにてっぺんにはマツが植えられています。

焼杉は西日本を中心に土蔵の塀の仕上げ材として用いられた伝統的な技術で、杉の表面をあらかじめ炭化させることにより、芯の部分をを湿気やシロアリなどから防腐し材の耐久性を確保するためのものです。

漆喰と焼杉の自然素材、不揃いな銅板仕上げにより、建物が風化するほど周辺環境に溶け込み美しい風景をつくりあげます。もし外壁の白壁が汚れたとしても、白黒のコントラストによりそれが目立たないようになっています。

内風呂の内壁はモルタル塗り仕上げの真っ白な空間で、中央には切り出してきた男子風呂はクリ、女子風呂はヒノキの柱が貫いています。温泉成分により白い壁は変色してしまいますが、不揃いな柱やアコヤ貝の仕上げ、自然素材の床の大理石や壁のモルタル仕上げが、時間の経過による劣化を嫌に感じさせません。

クアパーク長湯

基本情報

所在地大分県竹田市直入町長湯3041-1
アクセス・豊肥本線「豊後竹田駅」より大野竹田バス長湯線「直入支所」行バスに乗車し(所要時間45分、880円)、「クアパーク長湯バス停」下車徒歩1分
大野竹田バス長湯線バス時刻表
・「ラムネ温泉館」より徒歩8分
開館時間10:00〜21:30
休館日毎月第1・第3水曜日、木曜日
入館料一般:500円、小学生:400円(水着貸出料500円)
HPhttps://www.kur-nagayu.co.jp/

設計者

坂茂建築設計