東京建築めぐり/都内のおすすめ有名建築一覧【34選】| Tokyo Architecture Guide

東京にある名建築をエリアごとにご紹介します!!

中央区

静岡新聞・静岡放送東京支局

設計者

丹下健三建築都市設計

建築概要

「静岡新聞・静岡放送東京支局」は静岡新聞と静岡放送の分局として、1967年丹下健三さんによって設計されました。

周囲を「外堀通り」「首都高速道路」が通り限られた敷地の中で、直径7.7mの空調設備や縦動線が収まった円筒状のコアを中心として、その周りに箱状のオフィスを取り付けるという構造です。将来的に複数のコアを建設し、空中で床で結ぶ計画もなされました。

これは建物の用途変更や増築に対応できるようにと弟子の黒川紀章の影響もあり、「メタポリズム」の建築ムーブメント中で生まれました。

中銀カプセルタワホテルビル(現在は取り壊し)

香港現代美術館M+で展示されているA806号室カプセル

設計者

黒川紀章

建築概要

「中銀カプセルタワーホテルビル」は1972年に丹下健三さんの弟子である黒川紀章さんによって設計されました。先程の「静岡新聞・静岡放送東京支局」と同じく建設された当時、日本社会の急激な都市人口増加と都市の膨張、拡大に対応すべく、「メタポリズム」の考え方がありました。

黒川さん自身は当時、メタポリズムの建築家グループの一員として活動していました。メタポリズムは「新陳代謝」という意味ですので、刻々と変化する都市が求める空間や機能に合わせて、建築も古く合わなくなった空間やユニットを新しものに対応しようとするものです。

「中銀」はユニットで構成された住戸を後から取り外し可能なものとし、さらにそのままトレーラーで富士山の麓まで運ぶ、「移動の民」を想定していました。今までに一度も取り外されたことはないものの、当時のメタポリズムの思想が反映された代表的な建築の一つです。

しかし2022年にアスベストと老朽化により取り壊されました。現在では、カプセルの一部が国内外の美術館の展示や宿泊施設として利用され、カプセル内の見学が可能となっています。

MIKIMOTO GINZA2

設計者

伊東豊雄建築設計事務所

建築概要

「旧TOD'S表参道ビル」と同じく、建物の表層の素材は建物の構造体として機能しています。

通常「近代建築」は、壁は柱などの構造体から解放され、自由な壁をデザインすることが可能ですが、「MIKIMOTO GINZA2」では「銅板コンクリート構造」という特殊な素材を使用することで、不規則で自由度の高い開口デザインを実現しています。

港区

高輪ゲートウェイ駅

設計者

JR東日本建築設計、隈研吾建築都市設計事務所

建築概要

「高輪ゲートウェイ駅」は山手線・京浜東北線の新駅として、隈研吾氏の設計により、JR東日本の2020年3月に実施されたダイヤ改正に合わせて、暫定的に開業しました。

日本の鉄道駅では稀な、高さ30mの膜・鉄筋屋根が駅舎全体を覆い、明るく開放感ある駅になっています。ホームとコンコースが視覚的に一体になることで、駅のサインに依存しない、感覚的に方向がわかる駅となっています。

また2階のコンコースはただ通過するだけの空間ではなく、イベントや展示で使用できるほどの広さで設計されています。時に遊具や美術品、レクチャーなどの什器が置かれることで、駅でありながらも催しによって身体的に使いこなされたり、人が集まる場が生まれます。仕上げも木質のインテリアで仕上げられ、交通と居住が同居した良い意味で違和感のある空間をみるできます。

21_21 DESIGN SIGTH

設計者

安藤忠雄建築研究所

建築概要

「21_21 DESIGN SIGTH」は六本木のミッドタウン・ガーデン内にあり、安藤忠雄氏の設計により2007年に竣工しました。建物は周囲の景観を損なわないように8割に相当する床面積が地下に収められ、1階はギャラリーとショップのみになっています。

そのかわり展示室へと降りる階段ホールは、「サンクンコート」とよばれる大きな吹き抜けに接しており、洞窟の入り口かのように1階から地下までめいいっぱい自然光が降り注ぎます。太陽光に照らされたコンクリート躯体が段々と奥にいくにつれ暗くなり、その躯体表面のグラデーションがとても美しいです。

国立新美術館

設計者

黒川紀章・日本設計共同体

建築概要

「国立新美術館」はIT時代におけるデジタルアートやバーチャル表現など様々な展示形態に対応すべく、日本で5番目となる国立美術館として2007年に開館しました。

1,4000㎡という世界最大級の展示スペースを誇り、収蔵品・常設展を持たない美術館として、30の企画展や展覧会が同時開催可能となっています。2,000㎡に区分けされた7室の展示室が1階から3階にかけて、片廊下型のホワイエに面して並べられており、片廊下は4層吹き抜けのアトリウムに面しています。

1階エントランスに入るとそこには4層のアトリウムが広がっており、7室の展示室が視覚的にわかりやすいように配置されています。まるで外廊下タイプのマンションがそこに置かれているかのようです。来場者は展示室(マンションで例えると号室)を俯瞰的に見渡せるので、目的の号室が描かれたサインに誘導されながらアトリウムのエスカレーターで上ることで、ストレスなくアクセス可能となっています。

こ建物の物理的なレイヤーを巨大な空間の中に視覚的な情報として示し、サインとエスカレーターによる誘導でアクセス可能にすることで、目的が異なる来場者をスムーズに届けることができます。

文京区

東京カテドラル聖マリア大聖堂

設計者

丹下健三都市建築設計

建築概要

「東京カテドラル聖マリア大聖堂」は 丹下健三さんの設計により1964年竣工しました。

8枚の双曲放物面を利用した構造シェルをほぼ垂直に立てかけ、内部には柱が一切なく、天井高最高40mの荘厳な大空間をつくり、見上げるとトップライトが十字に輝きます。

外壁仕上げには一面ステンレスが使われています。

台東区

国立西洋美術館

設計者

ル・コルビュジエ

建築概要

「国立西洋美術館」は第二次世界大戦末期に敵国人財産としてフランスに接収されていた、1916年から約10年の間に松方幸次郎がヨーロッパ各地で収集した美術品、「松方コレクション」を、その後の日仏友好のためにフランス政府から日本へ寄贈返還されることとなり、これを展示する施設として設計されました。

建物の設計は美術館の敷地見学に一度だけ来日したコルビュジエが、事務所のフランスパリから寸法のないわずか12枚の図面を、彼の日本人弟子である前川國男、坂倉準三、吉阪隆正に送り、3人で実施設計を担当しました。

そのためコルビュジエの基本設計をもとに、3人の日本人建築家と、日本の建設会社が実施設計、施工を行うことで、彼の本来の荒々しさとはかけ離れた繊細で精度の高い日本風のものにローカライズされたものの、彼の提唱する「ピロティ」「自由な平面」「自由な立面」「独立骨組みによる水平連続窓」「屋上庭園」といった「近代建築の5原則」が、その土地の気候や風土に左右されることなく実現可能であることを示しています。

建物は卍形にギャラリーを配置していくことで、展示物の増大に応じて渦巻き状に展示空間を伸ばしていくことを想定して設計されています。インドのアーメダバードとチャンディーガールにも同時期に設計された彼の美術館がありますが、日本とインドの3箇所の美術館は彼が唯一設計した美術館です。

インドの美術館も日本と同じく、卍型の同じピロティを持つ正方形の平面プランになっていますが、西洋美術館と比べると仕上げが荒々しく、風土の違いがあらわれています。

「国立西洋美術館」は日本に現存する唯一のル・コルビュジエ作品で、2016年、「国立西洋美術館」を含む世界中の「ル・コルビュジエの建築作品」が世界文化遺産に登録されました。

東京文化会館

設計者

前川國男

建築概要

「東京文化会館」は開都500年記念事業として、上野公園内に前川國男さんの設計によって1961年に竣工しました。

東京文化会館は、向いに建つ前川さんの師ル・コルビュジエが設計した「国立西洋美術館」とのつながりを意識した設計となっており、出隅入りの曲面の大庇に、プレキャストコンクリートの外壁、1階の外部の律動ルーバーなど、建築空間と一体となった上野公園エントランス空間を生み出しています。

これらはル・コルビュジエが想定していた上野芸術文化村が背景になっており、1965年コルビュジエの西洋美術館の基本設計案には、美術館のほか演劇ホールと企画展示パビリオンが加えられていました。

東京国立博物館 法隆寺宝物館

設計者

谷口吉生建築設計研究所

建築概要

「東京国立博物館 法隆寺宝物館」は奈良県斑鳩市の法隆寺でかつて所蔵されていた宝物、約300点を保管、展示する施設です。

もともとこれらの宝物は、1878年に法隆寺から皇室に献納されましたが、やがて国のものとして移管され、1964年にそれらを保管・公開する目的で、東京国立博物館に納められました。

しかし当初の法隆寺宝物館は、宝物を保存する目的で、公開は週に1回までと限られていました。そこでそれら宝物を通年展示できる新しい施設をと、1999年に谷口吉生氏の設計により「法隆寺宝物館」が開館しました。

木々の茂みから突然現れる直線美の美術館と、絶対的な水平を築き上げる水面に敷かれたエントランスアプローチに、来場者は感動せずにはいられないでしょう。

3層分ある解放感あるエントランスホールは、それとは対照的に開口が日本家屋のようなスケールで低く抑えられ、外の景色と適切に関係を保ちつつも、外から全く遮断された展示室に対して来場者を内向けにするような装置として仕掛けられています。

http://jpn-architecture.com/building-type/museum/takaramonokan

浅草文化観光センター

設計者

隈研吾建築都市設計事務所

建築概要

「浅草文化観光センター」は隈研吾さんの設計により2012年に竣工しました。

建物は8階建てで1、2階は観光案内センター、4、5階は大中小の会議室、6階は階段状になったシアタールーム、7階は浅草を紹介する展示室、8階は無料の展望デッキになっており雷門から浅草寺へ続く浅草の街並みを一望できます。

独立した家を積層させ、斜めの屋根と部屋の間に生まれる隙間に設備を収めることで、各層最大限のフットプリントを実現しています。

また外観から家屋が積層されているというわかりやすい構成によって、最高高さ38mという高層の割に周囲に対して圧迫感を与えない景観を成しています。

墨田区

江戸東京博物館

設計者

菊竹清訓建築設計事務所

建築概要

「江戸東京博物館」は江戸時代の東京にまつわる歴史・文化を展示、保存するための施設として1993年に開館しました。

設計は菊竹清訓さんによるものです。地上62mの巨大な高床式の建築は隅田の下町景観損ねるとし建設に反対の声も上がりました。

しかし菊竹さんの「スカイハウス」や「ホテル東光園」でも見られるような、隅田に浮かぶ強固で巨大な人工地盤は、隅田の水害から収蔵品を守れる利点もあります。しまいに同氏設計の「川崎市市民ミュージアム(1988)」は収蔵庫を地下に設計したがために、2019年台風19号の影響で多くの収蔵品が浸水しました。

菊竹さんはもともと福岡県久留米ご出身で、有明海から久留米駅一帯の土地を所有する地主のお屋敷にお生まれになりましたが、戦後のGHQの農地改革によりあたり一帯の土地を没収されてしまいました。

菊竹さんはここ隅田の土地が水害の危険性をはらんでいることから、何か土地に対する過ちをおかしてはならねばと異常に派手な床を設定したのではないかとまで言われています。

すみだ北斎美術館

設計者

妹島和世建築設計事務所

建築概要

江戸時代後期の浮世絵師で知られる「葛飾北斎」は墨田区亀沢で生まれ、生涯過ごしたとされています。墨田区内では27箇所にも及ぶ箇所で点々と引越しながら、彼の残す作品には両国橋や三囲神社や牛嶋神社など当時の隅田の様子を多く残しています。

そんな北斎の生い立ちから彼が多く残した作品を展示する美術館が2016年、妹島和世さんによって設計されました。

建物は、公園に面する1階部分は図書館、美術館エントランス、会議室、搬入室の4棟にわかれているのに対して、建物が上層になるにつれてそれらが徐々に融合し、また違う箇所で建物が裂けるようになっています。

結果建物が岩山をえぐってできたような外見となり、中にいる人は思わぬ箇所に再度外を眺められるえぐりが出現することとなり、それぞれのえぐりが内外で異なる空間体験を引き起こしています。

目黒区

中目黒蔦屋書店

設計者

クライン ダイサム アーキテクツ

建築概要

「中目黒蔦屋書店」はクライン ダイサム アーキテクツの設計により2016年11月にオープンしました。蔦屋書店は、全国にTSUTAYA事業を展開する「カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)」により運営され、スターバックスコーヒーの飲み物とともに店内飲食可能なブックカフェです。後述する「代官山蔦屋書店」を皮切りに徐々に全国展開しています。

中目黒蔦屋書店は、東急東横線の中目黒から祐天寺駅間の約700mにわたる高架下開発、「中目黒高架下」プロジェクトのもと、さまざまなレストランやカフェが並ぶ一画にオープンしました。特に蔦屋書店は、中目黒駅正面口と山手通り横断歩道を挟んだ向かい側にあり、改札口出ると高架屋根により濡れずにアクセスすることができます。

この建築の特筆すべき点は、その高架下という立地を最大限に生かした空間設計にあります。建物は3棟の分棟からなり、本をお会計するにはいったん外に出なければなりません。しかし分棟による路地のような外部空間は、高架下という屋根を生かた豊かなテラスを生み出しています。駅を降りた人はその路地に吸い込まれるようにスムーズに建物に流れ込んでいきます。

また土木構造物の鉄道高架の柱が店内にインテリアとして現れ、電車の振動も店内に響き渡ります。一方店内の什器や家具は、手狭な店内のため小さく設計されています。土木構造物と小さなインテリアが同じ空間に同居し、まるで突然街の中に現れたリビングのように、路上に面した魅力的な生活空間を生み出しています。

http://jpn-architecture.com/building-type/store/nakameguro-tsutayabooks

大田区

大井町駅前公衆便所

設計者

あかるい建築計画

建築概要

「大井町駅前公衆便所」はあかるい建築計画により2020年8月に竣工しました。トイレはJR京浜東北線の線路と道路に挟まれた最小幅3m程の「大井町駅前公園」内に、計6棟のボリュームが建ち並び、全てワンルームの個室トイレとなっています。

トイレの天井高さは写真の奥から順に6.95m、9.5m、5.75m、3.875m、12m、8.25mあり、天井には天窓と換気チャンバーが設置されています。限られた狭い敷地ながらも、緩やかに自然光と上に十分な気積を確保することで従来のネガティブな公衆トイレのイメージを払拭しています。

また狭い敷地での施工は通行量の少ない夜間に行われ、あらかじめ鉄骨工場で鉄板の箱を組み立てることにより足場を設けずに済み、クレーンでの搬入により一夜に一棟ずつ施工が可能となりました。

http://jpn-architecture.com/prefectures/tokyo/oimachi-toilet

渋谷区

千駄ヶ谷駅前公衆トイレ

設計者

SUPPOSE DESIGN OFFICE

建築概要

「千駄ヶ谷駅前公衆トイレ」は当初の東京オリンピック開催前に合わせて、JR千駄ヶ谷駅前にあった公衆トイレの建て替えとして2020年8月20日「SUPPOSE DESIGN OFFICE」により設計されました。

トイレは全て男女の区別のないジェンダーレスな個室トイレになっており、高さ7.5mのコンクリートボックスのワンルームに内に配置されています。コンクリートボックスは地面から50cm浮いており、天井にはスリット状の天窓が設けられています。このトイレ下部の抜け感と上にスーッと伸びるような解放感、室内に入り込む明るい自然光が、従来の近寄り難い公衆トイレのイメージを払拭しています。

http://jpn-architecture.com/prefectures/tokyo/sendagayatoilet

代々木国立競技場

設計者

丹下健三都市建築設計

建築概要

丹下健三さんの代表的な建築作品でもある「代々木国立競技場」は、1960年東京オリンピックの競技会場(「第1体育館」は水泳会場、「第2体育館」はバスケットボール会場)として設計されました。

特に第1体育館の水泳会場は、大きくてひらけた内部空間が要求されました。そこで丹下さんが取り入れたのは当時では最先端だった、吊り橋の原理を建築に応用した吊り構造です。

2本の塔にロープを垂らして固定し、ロープからさらに広がるように梁屋根を吊り下げ、大空間を実現しています。吊り構造が生み出す綺麗な曲線形状とその構造体は当時の技術では考えられないほど美しいものです。

またこれらの象徴的で建物全体を覆う大きな吊り構造は、室内の明快でわかりやすい導線を実現しています。中央のロープを境に梁屋根をずらすように架けることで、来場者は体育館エントランスから屋根に沿って誘導され、されに進むと屋根の視界が一気に開け大空間が出現します。

敷地の中央を貫く「プロムナード」は、選手や関係者の導線交わらないように立体的に計画されています。丹下氏はダイナミックな構造体を生かしたわかりやすい動線を設計することで、来場者に建物への高揚感を与えています。この建物は建築では異例の、当初のオリンピック大会組織委員会から功労章が送られています。

東急東横線渋谷駅

設計者

安藤忠雄建築研究所

建築概要

東急東横線渋谷駅は、2013年3月より東京メトロ副都心線との相互直通運転開始に伴い、従来の地上駅から現行の地下ホームへと移転されました。現在の地下駅は2008年の副都心線開業とともに使用が開始されました。

地下ホームとコンコース、改札階のデザインは安藤忠雄さんによる設計で、特に地下4階のホームから地下2階の改札階にかけて卵型の「宇宙船」が挿入されているのが特徴です。

また「宇宙船」は放射冷房の機能も果たしており、卵型の形状が自然に空気の対流を発生させ、地上の換気口を通じて「風の通り抜ける地下鉄駅」を実現しています。

また3層分の吹き抜けの特徴的なシェルは、地下階にわかりやすいランドマークを出現させ、待ち合わせとしての場を提供しています。

銀座線渋谷駅

設計者

内藤廣建築設計事務所

建築概要

2020年1月「銀座線渋谷駅」は渋谷駅と駅周辺再開発に伴い新たな駅舎の使用が開始されました。

これは従来の渋谷駅を分断する原因となっていた銀座線ホームを、新たに「明治通り」と「東口広場」上空に移設するというものです。

しかし建設敷地である東口広場上空は、銀座線の運行を妨げたり下を走る明治通りや東口バスターミナルを通行止めすることなく建設しなければなりませんでした。

そこで採用されたのが鉄骨アーチを台車に載せ、所定の位置まで移動させる「スライド工法」です。

これは荷物を搬入するためのクレーンを組み立てる場所が確保できない場合、あらかじめクレーンを組み立てられる場所で鉄骨の搬入・組み立てを行い、所定の場所に移動させ設置させる方法です。

特に駅舎の屋根架構に「アーチ」が採用されたは、2点の接地点で大空間を実現するというアーチの特性に着目したもので、鉄骨アーチであれば、通常運行する電車の妨げにならずにすみ、しかも2点で支える台車がそれらを可能にしています。

結果、明快で開放的な駅構造が実現しました。

http://jpn-architecture.com/prefectures/tokyo/shibuya-station

表参道ヒルズ

設計者

安藤忠雄建築研究所

建築概要

老朽化した「同潤会アパート表参道」が新たに安藤忠雄さんによって改修されました。

緩やかな坂に沿って設計された表参道ヒルズは、その坂の勾配をそのまま建築内部にもたらすことで、地形と一体となった建築です。

実際に内部は吹き抜けの周りに螺旋状のスロープで構成されており、表参道の地形を感じることができます。

ディオール表参道

設計者

SANAA

建築概要

「ディオール表参道」は妹島和世さんと西沢立衛さんのによる建築家ユニット、SANAAによって設計されました。

建物は高さ30mで4フロアを要求されましたが、4層で30mを構成するとなるとそれぞれの天井高が異常に高くなってしまいます。

そこで建物の平面上に必要な設備室を各階の天井裏に設け、店舗と設備室が交互に積層された建築となっています。設備室は居室と同じような外観なので、4階建て以上の建築に見えます。

設備室を断面的に積層させることで、エレベーターや階段、設備コア以外のスペースを全て居室として使うことができます。さらに人が入れるほどの天井裏(設備室)にすることで、点検口といった居住空間経由で設備にアクセスせずにすみ、建物のメンテナンスや意匠的な内装の融通が効き、高層ビルの新な可能性を示しています。

ルイ・ビトン表参道ビル

設計者

青木淳建築計画事務所

建築概要

青木淳さんはご自身の著書、『原っぱと遊園地』の中で、草木などの手入れがなされ遊具が整備され遊び方が最初っから定められた公園(遊園地)より、草木の手入れが放置され自分達で遊び方を編み出し本来の行為とはずれた原っぱのような場を提供する建築の必要性を主張されています。

「ルイビトン表参道ビル」は、向かいの原っぱのような「同潤会アパート」や目の前のケヤキ並木など表参道としての魅力と、ルイビトンのブランドイメージとをいかに両立させるかに焦点が当てられました。

そこで青木さんは、ルイビトンは旅行用トランク専門店発祥であったことに着目し、トランクのような直方体をランダムに積み上げることで、建物のファサードが分割させ、建物を大きく見せたいというルイビトンの要求に答えつつも、表参道のスケールに合ったデザインになっています。

トランクは本来のトランクのように直接積み上げられたのではなく、コンテナの隙間に設けられた構造体によって支えられています。こうすることで天井高さが異なるいくつかのコンテナをランダムに積み上げることができます。

結果遊園地のような、あらかじめそこで行われる行為が定められるようにと均質に設計される商業空間ではなく、その建物が建つ場所から生み出された、スケール感の単位空間によって構成された商業空間の方が、その場所特有の商業行為が生まれ、一層の価値を創出します。

旧TOD'S表参道ビル

設計者

伊東豊雄建築設計事務所

建築概要

不規則に斜めに交差するファサードデザインは単なる表層的なものではなく、建物を支える唯一の構造体です。

設計者の伊東豊雄さんは、目の前のケヤキと建物が同化するように、2次元状の木々のシルエットをそのまま建物のエレベーションとして落とし込み、それをL字の6面の建物のファサードデザインとしています。

商業建築のファサードデザインは、お店のブランドイメージを表現するある種のキャンバスのようなものですが、多くは単なる表層的なデザインとして扱われています。しかし伊東さんはその表面に着目し、2次元のキャンバス表現である、目の前のケヤキのダイヤグラムをそのまま構造体として採用することで、建築デザインにおける新たな構造体のあり方を提唱されました。

建物6面が一切段差や凹凸のない「つら面」で構成された、他にあまり例を見ない建築となっています。

サニーヒルズ南青山

設計者

隈研吾建築都市設計事務所

建築概要

「サニーヒルズ」は台湾発祥のパイナップルケーキ専門店で、その南青山店の店舗設計を隈研吾さんが行いました。

建物に使われるヒノキ材のフアサードは、隈さんの一度組み立てると外れない「地獄組」によって編まれ、周囲の街に溶け込んでいます。

ヒルサイドテラス

設計者

槇文彦

建築概要

「代官山ヒルサイドテラス」は旧山手通りを挟むように住居、レストラン、店舗、オフィス、ギャラリーといった全14棟からなる複合型施設です。

A〜D棟は主にレストランやアパレル、雑貨、家具等の店舗が入居しており、D棟はオフィス、E棟は集合住宅、F棟はアパレルとギャラリー、G棟は教室やテナント、H棟はオフィスなど、全体が超ミクストユースとなり、ひとつの街を形成しています。14棟全てを一気に建設するのではなく、1969年から1998年にかけての29年間で段階的に建てられました。(A・B棟:1969年、C棟1973年、D・E棟:1977年、F・G・H棟・1992年)。

1人の建築家が街全体を設計しているように見えますが、各棟の用途や建築年、空間がすべて異なり混在することで、現代の都市再開発に対して一石を投じる事例になっています。(一気に建物を大規模に開発しようとすると、新築・高家賃のためにそこに入居できるテナントや入居者が限られ、高齢化(衰退)もある時期に同時に起きます。用途も単一なため、同じ人しか出入りしないゲイテットな街となります。)

建物年代をずらし、多様な用途を同時に許容することで、長期間にわたり活気のある街を維持できます。(※今は代官山一体の魅力が上がりすぎており、地価が上がりすぎるという別の問題も引き起こしていますが)

T-SITE代官山蔦屋書店

設計者

クライン ダイサム アーキテクツ

建築概要

「蔦屋書店」とはTSUTAYAの書店事業とスターバックスなどのカフェが一体となったブックカフェです。2011年「代官山T-SITE(蔦屋書店)」をオープンさせて以来、徐々に全国に店舗を展開しています。

普段飲食ができない本屋を逆手に取りコーヒーを片手に飲食しながら本が読め、家のリビングでくつろいでいるかのような空間をコンセプトに、照明からソファなどの家具に至るまで外出していると感じさせないほど落ち着いた空間になっています。

代官山蔦屋書店が他の書店にない面白い点は、マガジンストリートと呼ばれる雑誌コーナーが一本の道として三棟に分かれた建物を結んでいますが、本を持って歩くには、一旦屋外に出なければならないことです。

商品なので躊躇してしまいそうですが、書店を三棟の分棟で構成している背景には隣地の「代官山ヒルサイドテラス」の景観をそのままT-SITEまで延長させ取り込んでいるからです。

代官山のランドスケープの中で設計された建物が、森の中にいるような心地の良い空間を生み出し、ヒルサイドテラスのような多方向からの建物へのアクセスを可能しています。

江戸川区

葛西臨海公園クリスタルビュー

設計者

谷口吉生建築設計研究所

建築概要

「葛西臨海公園クリスタルビュー」は江戸川区葛西臨海公園内の便益施設として、1995年に谷口吉生氏の設計により竣工しました。建物はエレベーターや展示室を収めたRC造のコアとそれを取り巻くスロープ、そして地下にはカフェラウンジも併設されています。

建物の特徴は全面がガラス張りになっており、ガラス冊子はRC造構造体からほぼ完全に独立するかたちで屋根を支えています。すると駅から海に向かって伸びるプロムナードを歩いていると、太陽によって浮かび上がるRCのコアと屋根のシルエットが次第に大きくなって見え、その先にある東京湾への期待感を高めます。

実際に建物に入ると、四方がガラス張りの開放的な空間となっており、自分が宙に浮いたかのように周囲の景色を一望することができます。

http://jpn-architecture.com/architects/taniguchi-yoshio/crystalview

THE TOKYO TOILETプロジェクト

THE TOKYO TOILET

日本財団と16のクリエイターにより、東京渋谷区の17箇所に新たに公共トイレを設置する「THE TOKYO TOILET」プロジェクトは、2020年8月5日に供用を開始したトイレを皮切りに、2022年までにすべてのトイレが完成する予定です。詳しくは下記のリンクをご覧ください。

http://jpn-architecture.com/architects/ando-tadao/tokyotoilet

三鷹市

三鷹天命反転住宅

凸凹なリビング

設計者

荒川修作+マドリン・ギンズ 安井建築設計事務所

建築概要

当住宅は、美術家である荒川修作+マドリン・ギンズによる「死なないための住宅」作品として、安井建築設計事務所により設計されました。地上3階建ての9つの住戸からなる集合住宅です。同じ形の円柱や立方体、球体のプレキャストコンクリート(PC)を積み重ね、その間の床を現場打ちの鉄筋コンクリートにより構成されています。そのため各階、各住戸のプラン・空間構成は非常に似ており、PCの立体と現場床スラブによる構成は、メタポリズムを思わせます。

各住戸の構成は中央にキッチン、その周りにリビング・ダイニング、そして外皮にバルコニーと円柱(風呂・洗面)や球体(スタディ)、立方体(寝室)が並んでいます。リビングは傾斜のある凸凹なセメント仕上げだったり、球体と円柱の内部ははもちろん面がなく、決して快適な居室として使えるような代物ではありません。室内にはたくさんフックがかけられるようになっており、衣類などの収納は天井から吊り下げます。

不便で使いづらい住宅ですが、普段私たちがが当たり前に過ごす水平・垂直による空間では、私たちに慣習的な設えや所作として影響を与え、無意識にそれに従ってしまいます。しかし本住宅では、本来の居室の常識は通用せず、斜めや凸凹が私たちに能動的・身体的に使いこなすことを要求され、空間を受動的に、快楽的に使うとができないようになっています。現代の快適で楽チンな居住空間に対して一石を投じる作品です。

小金井市

前川國男邸

従来の日本家屋になかった天高の高い壁量の多いいモダンな白壁

設計者

前川國男

建築概要

前川國男邸は1942年に品川区上大崎に自身の自邸として建てられました。その後1996年に現在の「江戸東京たてもの園」で移築・復元がなされました。

建物は桁行約11.8m、梁間7.3mの平面で、一般的な日本の家(切妻屋根)は、建物の「奥行き」方向に切妻屋根の妻面があるのが一般的です。しかし、前川國男邸はこれをあえて90度回転させました。切妻屋根の高さに応じて寝室と居間がシンメトリーにプランニングされることで、左右の寝室は寝室として適切な天井高さ、中央の居間は天高の高い空間を獲得しています。

この住宅の天才的な工夫は、視線を向ける「方向」によって、インテリアの国籍が変わることです。妻面方向は景色・採光のための日本の伝統的な木の部材や障子・格子のインテリアになっているのに対して、居間と寝室を仕切る天高の高い壁は白いモダンな仕上げとなっています。それによって日本家屋にはなかった壁量の多い白いモダンな壁のインテリアを実現しています(天井までスッと伸びる、真っ白で平滑なモダンな壁が現れます)。方向によって和風とモダンインテリアを切り替えることで、民家と西洋的なインテリアが見事に融合した住宅になっています。

小平市

花小金井の家

設計者

伊東豊雄建築設計事務所

建築概要

花小金井の家は当時伊東豊雄事務所のスタッフだった、建築家妹島和世氏が担当したプロジェクトで、妹島氏の母のために建てられた住宅です。「TOKYO HOUSE TOUR」で妹島氏自らが建築ツアーを開催し、年に数回一般公開されています。

特徴は1階は鉄筋コンクリート(RC)造、2階は木(W)造(一部鉄骨(S)造)の混構造の住宅であることです。各フロア南側は北側より小さがりになっており、レベルの低い順に1階南側が子供室、1階北側が玄関と老人室、2階南側がリビング、2階北側はキッチン、ダイニング、寝室2になっています。2階の北側のW造は切妻屋根、南側はヴォールト屋根(ボールトの骨組みのみS造)になっており、特に2階のヴォールト屋根のリビングは、南側の庭に対して、開閉式の腰板と全面引き違い窓の開放的な空間になっています。また天井からはトップライトが設けられ、間接的な自然光による明るく、軽い空間になっています。

今まで伊東氏による天井から光を取り入れる作品はありましたが、当作品では構造形式の使い分けを、RC=「重い」、W、S造=「軽い」といったイメージによる使い分けをしており、これが伊東氏の今後の作風を形づくる作品になったことは間違いありません。たとえば「シルバーハット」や「八代市博物館」「ぎふメディアコスモス」「高雄ワールドスタジアム」「国立競技場(アンビルド)」といった作品は、上下階の構造形式の重い/軽いという使い分けで、新たな空間の創出や建築の問題の解決を可能にしています。ぜひ以上に上げた作品の記事もご覧ください。

府中市

東京アートミュージアム

設計者

安藤忠雄建築研究所

建築概要

京王線仙川駅にほど近い、調布市仙川町のある地主の広大で細長い土地は、無条件にも1992年に認可された道路が対角線状に引かれ、鋭角三角形の利用価値のない区画が出来上がってしまいました。

地主さんは出来上がったこの異質な土地をなんとか調布市の景観にできないかと思い、安藤忠雄さんがこのプロジェクトに賛同し、さらに地元の民間企業や市の協力もあり、通り一帯が安藤さんの統一感のある建築群で整えられ、現在ではその通りを「安藤ストリート」と呼ばれるようになりました。

その安藤ストリートの一角にあるのが「東京アートミュージアム」です。建物はコンクリート打ちっぱなしの箱に、いくつかの縦・横のスリッド窓が設けられています。真隣の道路とは一枚のコンクリート壁で隔てられており、この2、3箇所の開口部が周囲との絶妙な関係性をとりつつ、そこにはすぐ真隣を車が通っているとは思えないほど、周囲とは別世界の小宇宙が広がっています。

八王子市

多摩美術大学図書館

設計者

伊東豊雄建築設計事務所

建築概要

伊東豊雄設計事務所の設計による、地上2階、地下1階建の多摩美術大学の図書館です。柱兼、梁の役割を持つアーチ状の鉄骨の周りをコンクリートで覆った鉄骨・コンクリート構造になっています。11の緩やかな曲線で連続したアーチの構造体が交わり、建物全体を支えています。

空調は床下空調とすることで、アーチ・天井の躯体と間接照明による、どこまでも続く森のような美しいインテリアを可能としています。実際に1階は南側の執務室から北側の広場に面したエントランス・閲覧エリアにかけて床が下に傾斜、2階は南側の執務室・閉架車庫のエリアから北側の開架書架にかけて天井が上に傾斜しています。直射日光の入らない北側彩光に向かって天高が広くなることで、空間全体が優しい光に包み込まれつつもアーチが黒いシルエットとなって浮かび上がり、神秘的な空間を生み出しています。

構造体とインテリアの問題を美しく解決した大作です。

工学院大学125周年総合教育棟

設計者

千葉学建築計画事務所

建築概要

工学院大学創立125周年事業の一環として企画された総合教育棟は、2009年によって行われたプロポーザルコンペによって選定された、千葉学建築計画事務所により設計されました。片廊下廊下型のL字ボリュームの4棟(分棟)で構成され、教室や研究室、大講義室が収容されています。

本建築の特筆すべき点は4棟によって生まれた中庭側と外側で構造・窓が異なる点です。中庭側はプレキャストコンクリート構造(PC )の窓はスチールサッシになっており、サッシは眺望用のfix窓、換気窓、排煙窓と、役割ごとに窓が分けられておりいずれも黒に塗られています。カーテンウォールと柱も黒に塗り分けられ、PCと開口・壁仕上・柱を用途ごとに塗り分けることで、建物の構成が一目でわかるようなインテリアになっています。

外側はアルミサッシとなっており、こちらはフルハイトの眺望用窓と換気・排煙窓で役割度とに窓が分けられています。通常、キレイに眺望を切り取るフルハイトのfix窓に換気用窓が混ざると、意匠上どうしてもサッシの見た目がゴツくなってしまいます。

しかし本建築はフルハイトの換気用窓をfix窓に等間隔で配置することで、逆にゴツい換気窓を目立たせています。長い片廊下全体を見渡すと、その等間隔に目立つ換気窓が列柱のようにキレイに整列し、見事に全体で美しいインテリアを実現しています。さらに有効折板により、ぼやけた景色と緩やかな自然光が背景となり、より列柱は強調されることで神秘的な廊下を生み出しています。。眺望窓と換気窓の問題をキレイに解決した名作です。