山口県内の建築は下の記事をご覧ください!

基本情報

所在地
〒758-0041 山口県萩市大字江向495-4
アクセス・JR山陰本線「東萩駅」から徒歩24分もしくは、防長交通「湯田温泉駅行」バスに乗車し「萩・明倫センターバス停」下車(所要時間14分)、徒歩3分
・JR山陰本線「萩駅」から防長交通「東萩駅行」バスに乗車し「萩・明倫センターバス停」(所要時間6分)下車、徒歩3分
開館時間9:00〜22:00
休館日年末年始
HPhttps://www.city.hagi.lg.jp/soshiki/19/1621.html

RC造+S造の大空間

山口県萩市の「萩市民館」は菊竹清訓氏の設計により1968年に建てられました。建物は大ホール、多目的ホールからなり、その周りを後からでも増改築可能な会議室や楽屋、調理室などが取り巻いています。

まず建物に入ると、巨大なホワイエが来場者を迎えます。

巨大なホワイエが来場者を迎える、中央は多目的ホールの巨大扉

建物の構造は大きく分けて下2層目分の鉄筋コンクリート造と上1層分の鉄骨造からなります。

下2層がRC造、上にS造の屋根が乗る
建物東側より

ホワイエのRC造の壁は、上に乗る巨大な屋根を支えるために折板構造になっています。さらに強度を高めるために壁面には「リブ」が等間隔に付いています。

壁面にはリブがついている

建物全体は、S造の屋根に覆われ、ホワイエは無柱の大空間になっています。屋根自体は複雑な鉄鋼の骨組みで固められており、複雑に折り曲げられているので、屋根自体で構造が独立しています。まるでお弁当箱の蓋が、ぱかっとかぶさったような感じです。

メインホール扉前

これは菊竹さんがよく実践される手法です。すなわち低層部は地面から立ち上がる構造体ですが、それとは別に上層部は地面から浮遊した巨大な地盤を築き上げるのです。低層と上層部で構造形式が異なり、上層部は強固で独立した構造体を設定することで、そこから自由に諸室を吊るしたり、積層させたり、延長させたりして、後からでも自由なプランを可能にさせます。

巨大な屋根を支える、地面から聳え立つコア

そのため建物の両脇は建物の構造から解放され、大きなガラスで開放的な内部空間を生み出しています。

構造から解放された建物両脇の非耐力壁(ガラス)
ホワイエ(2階観客席)

増改築可能な両脇エリア

建物全体を覆う屋根は中央に配置された多目的ホールとメインホールによって支えられているので、建物両脇は構造体から解放され自由なプランを可能にしています。メインホールの脇には会議室や和室、事務室、料理室、楽屋、準備室が配置されています。

和室
会議室
調理室

メインホール

メインホールもホワイエ同様、大きなS造の屋根に覆われています。メインホールでは巨大な梁スパンが必要なため屋根鉄骨はドーム状に組まれています。

巨大なメインホール空間
観客席よりステージを望む
アーチ状に組まれる鉄骨

菊竹清訓の常識はずれの近代建築

菊竹さんのド派手で異常とまでされる建築は、当時は受け入れ難いものだったに違いありません。しかしそういった建築なしに建築の進歩はあり得ません。