今回は台湾にある伊東豊雄さん設計の「台湾大学社会科学部棟」図書館についてご紹介します。日本の方でも受付で氏名やパスポートなどを提出すると、中に入ることができます。
基本情報
所在地 | 106台湾台北市大安區羅斯福路四段1號10617 |
アクセス | 台北捷運文湖線「楼科技大站」駅より徒歩12分 台北捷運松山新店線「台電大楼站」駅より徒歩18分 |
開館時間 | 8:20〜21:00(月〜金曜日)、9:00〜17:00(土曜日) |
休館日 | 日曜日 |
入館方法 | 入り口左側の受付に氏名、パスポート、電話番号を入力し札を受け取り、それを改札にかざす |
ホームページ | http://www.coss.ntu.edu.tw/Default.html |
スパイラルが生み出す木々の疎密
台湾の台北市にある台湾大学は、キャンパスの拡張のため新しい教室棟と図書館が伊東豊雄建築設計事務所により設計されました。教室棟は地上8階建ての建物で図書館は50m四方の1階平屋となっています。
建物は、柱と屋根が連続した蓮のような構造体が集まってできており、それ自体が建物のファサードや内観を形成しているのが特徴です。
これら屋根形状は3つの中心から発生するアルゴリズムのパターンによって配置されており、本棚もその中心から渦を巻くように配置されています。結果的に、全体の屋根が疎密さをもって集まることになり、場所によって異なる、自然光の下で本を読むことができます。
屋外のような内部空間
実際に座ってみると、まるで森の木漏れ日のような空間です。
この建物の新しい点は、柱と屋根がセットになった蓮のような構造体をワンユニットとすることで、束縛のない自由な配置プランをすることができ、建物としては四方に永遠にどこまでも続くような、増殖性を可能にしています。
結果的に永遠に四方に伸びる、スパイラル状に並んだ集合体を50m四方で切断することにより、内部空間がそのまま建物のファサードとして立ち上がり、内外の表裏関係を築いています。
蓮の葉っぱの機能
ワンユニットの構造体には、雨水を利用した冷却機能をそなえています
50m四方のいちばん外側の柱には、屋根で受けた雨水を地下へと水を流すためのドレンが通され、それ以外の内側の柱には地下水を屋根にまくための撒水栓が設置されています。
このように雨水を循環させることで熱負荷低減をはかっています。