隈研吾氏の名作「スターバックス太宰府天満宮表参道店」をご紹介します!!福岡県太宰府市

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基本情報

所在地〒818-0117 福岡県太宰府市宰府3-2-43
アクセス西鉄「太宰府駅」 より徒歩4分
営業時間8:00〜20:00
休業日不定
HPhttps://store.starbucks.co.jp/detail-1058/

建築概要

「スターバックスコーヒー太宰府表参道店」は隈研吾建築都市設計事務所の設計により2011年にオープンしました。80軒のお店が軒を連ねる「太宰府天満宮」への参道の一画にあり、多くのお店が南北に細長い敷地になっています。

建物の特徴は、南北に細長いコンクリートの箱に、その内装として木材が斜めに組まれ店内外を覆っています。

参道沿いに軒を連ねる長屋状の建物、木組が店内外を貫き奥まで見渡せる

コンクリートボックスの天井には開口が開けられ、また壁構造のコンクリートボックスは南北に見通すことができ、長屋ながらも外への広がりを感じることができます。さらに店内外を貫く木組は外の自然光によりシルエットとして浮き上がることで、屋内外の連続性を店内まで取り入れることに成功しています。

天井の開口部や南北のコンクリート開口部など、場所によって入り方が異なる自然光により木組の表情も変化する

マテリアルのレイヤー化により内外の乖離を解消

通常建築は、防水や内装目的に仕上げ材が躯体表面に直接仕上げられますが、隈氏の建築はそれらが“表面的”に扱われ、建物躯体表面から視覚的に分離するように自然素材が仕上げられています。

私たちは建築空間を「内観」と「外観」に分けて知覚します。しかしそれらの乖離、すなわち建物の外観と内観の知覚される空間のギャップが大きほど、建築内外で断絶が起きていまします。それは打ちっぱなしのコンクリートや昔の日本家屋など、外観と内観の素材・材料が統一されるほど、頭の中でそれらが一致する像を組み立てられ、より内外の一体性を感じることができるからです。

現代の建築のほとんどは、内と外にそれぞれ特化した性能をもつ仕上げ材が使用され、外観と内観での乖離が頻繁に起きています。

しかし「スターバックス太宰府天満宮表参道店」は内装材を大々的に表面的に扱い、目隠しのように建物躯体を覆いフェイクな空間情報を知覚させていた「面」の仕上げ材を「線」として切り分け、躯体と仕上げ材を視覚的に分離させレイヤー化することで、建物を司る躯体本体の材料・素材を知覚し、建築空間に対する近くの乖離が生じずに済むのです。

視覚的に示された建築躯体と仕上げ材としての木組が乖離をなく建築空間を知覚できる

結果、木組がぬくもりのある店内を創出しています。