基本情報
所在地 | 〒104-0053 東京都中央区晴海3-2 |
営業時間 | 10:00〜20:00 |
アクセス | 都営大江戸線「勝どき駅」から徒歩5分 |
CLTパビリオンとは?
東京都中央区の晴海に、CLTを用いた、延べ床面積601㎡、高さ18mのパビリオンが期間限定で設置されています。CLTには岡山県真岡市産のヒノキ材、スギ材が使われており、2020年9月には解体され、2021年5月に真岡市へ移築される予定です。
プロジェクトの目的は、国土の約67%に相当する2500万haもの森林に覆われる日本だが、CLTの普及PRにより、国産材の消費拡大による林業の活性化、地域創生につなげる狙いです。
隈建築のあるべき姿
隈建築といえば、木や石といった自然素材を使った建築で知られています。
しかしこのパビリオンが他の隈建築と異なる点は、使われている自然素材そのものが建物の構造材として、建築の内部空間を形成しているということです。
これと似たような建築として同氏の「Sunny Hills」が挙げられますが、「CLTパビリオン」は建築を形づくる自然素材が化粧材としてだけではなく、それが自体が建築本体を成していることがわかります。
おそらく日本人建築家が目指すべき、建築の最終形態系であるといえるでしょう。
現代の建物には様々な用途にあった機能が求められますが、建築家が思い描くビジョンと現実には乖離が生じてしまうのが現状です。
実際に中に入ってみる
実際に中に入ってみると、パネルの隙間から入る光の木漏れと風が、まるで森の木々の中にいるかのように感じさせます。
パネル同士は鉄骨でつながれ、それをアミダ状に90°回転させながら上に重ねていいます。まさにCLTの構造体が、木陰にいるようなきもちの良い空間を生み出しています。
私はこのように、建築は何かの用途に合わせて要望に応えるだけではなく、建築家が描くビジョンを実験的に試し、それを共有することが重要ではないかと思います。
そうすることで思いもよらない空間使われ方や、新しい人と建築の関係を見出すことができるのではないでしょうか。